【6月5日 AFP】ボクシングの国際統括団体ワールドボクシング(WB)は4日、主催大会などへの参加を希望する男女選手の資格を判断するために性別検査を義務化すると発表した中で、イマン・ヘリフ(アルジェリア)の名前を挙げたことは誤りだったとして、同国ボクシング連盟に謝罪した。

WBは今回の方針導入ついて、昨年開催されたパリ五輪の女子66キロ級で金メダルに輝いたヘリフの性別騒動を受けてのものと説明。アルジェリア連盟に対しては、ヘリフが5日から10日にかけてオランダで開催されるアイントホーフェン・ボックスカップに出場を希望する場合、検査を受けなければならないと伝えていた。

しかし、この日WBはヘリフを名指ししたことを撤回し、「会長は先週金曜日(5月30日)に発表された声明で、特定選手の名前を挙げるのは適切ではないと考えている」と述べた。また、アルジェリア連盟の会長に対しては個人的な書簡を送り、正式に謝罪を行ったという。

新しい方針の下では、WBが主催または認可する競技への参加を希望する18歳以上の選手全員が、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)遺伝子検査を受けて、出生時の性別および競技資格を確認する必要がある。

ヘリフや同じくパリ五輪の女子57キロ級で金メダルを獲得した林郁婷(台湾)の成功は、ドナルド・トランプ米大統領や実業家イーロン・マスク氏ら、著名人による激しい性別適格性の議論を引き起こした。

ヘリフと林は、2023年に行われた国際ボクシング協会(IBA)主催の女子世界選手権の性別検査で不合格とされ、失格となっていた。(c)AFP