ロサンゼルス連邦庁舎に海兵隊配備 大規模な反トランプデモに先立ち
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【6月14日 AFP】米カリフォルニア州ロサンゼルス市内に13日、武装した海兵隊が到着した。ドナルド・トランプ大統領は大規模な軍配備を命じており、トランプ氏と、権威主義の増大として抗議する人々との間で緊張が高まっている。
迷彩服を着て半自動ライフルを携えた兵士の姿は、連邦政府庁舎の周辺で見られた。
米移民・税関捜査局(ICE)の摘発に対する抗議デモの中心地からは約18キロ離れており、通り過ぎる一部の市民はAFPに対し、「本当に必要なのだろうか」「税金の使い道は他にあるだろう」と疑問を呈した。
通常は外国の紛争解決に動員される兵士は、連邦政府庁舎を守るために配備された700人の海兵隊員と4000人の州兵の一部。一方、地元警察はトランプ氏の不法移民取り締まりへの抗議デモに対応している。
トランプ氏が首都ワシントンで大規模な軍事パレードを予定している14日には、全国的な抗議活動が行われると予想されている。
「ノー・キングス(米国に国王はいない)」運動は、全国2000か所以上でのデモ実施を表明しており、主催者によると、ロサンゼルスでも大規模なパレードが予定されている。
ロサンゼルス郡のロバート・ルナ保安官はデモ参加者に対し、適切に行動するよう呼び掛けた。
「私たちは平和的なデモが行えるようにここにいる」と記者団に語り、「(平和的なデモには)正当な理由があるが、暴力的な扇動者が財産を破壊し、暴力行為を働くことは望まない」と述べた。
トランプ氏は政治的な権力を示すため、カリフォルニアに州兵を配備。兵士がいなければ、「ロサンゼルスは焦土と化している」と述べた。
しかし、同州のギャビン・ニューサム知事や現地警察は繰り返し、州兵の派遣は必要なかったと主張している。
カリフォルニア州連邦地裁は12日、不法移民取り締まり強化に対する抗議デモを受けてトランプ氏が命じたロサンゼルスへの州兵派遣を違法と判断し、同州に州兵の指揮権を返還するよう命令。
同地裁のチャールズ・ブレイヤー判事は、ロサンゼルスの騒乱は、トランプ氏が述べているような「反乱」とは「程遠い」と指摘した。
しかし連邦控訴裁判所は、派遣停止命令を一時差し止め、その上で、今月17日に審理を行う判断を下した。(c)AFP