シナー「記憶を消し去りたい」 全仏V目前から痛恨敗戦
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【6月9日 AFP】男子テニス世界ランキング1位のヤニック・シナー(イタリア)は、8日に行われた全仏オープン決勝で、カルロス・アルカラス(スペイン)に5セットの死闘の末に敗れ、記憶を「消し去りたい」と語った。
シナーは第4セット、ゲームカウント5-3として迎えた相手のサービスゲームで0-40とし、三つのチャンピオンシップポイントを手にして自身初の全仏オープン制覇が目前に迫っていた。
しかし、前回王者のアルカラスに粘り強くキープされ、タイブレークを経て決着を最終セットに持ち込まれると、最後は全仏オープンの決勝史上最長となる5時間29分の激戦の末、6-4、7-6(7-4)、4-6、6-7(3-7)、6-7(2-10)で敗れた。
シナーは試合後の会見で、「当然だが、今回はつらい。今はあまり話せることがない」と語り、「非常にレベルが高く、長い試合だった。こういうことは起きるもの。これまでも他の選手に起きてきたことが、きょうは自分に起こった。なんとかしてこの記憶を消し去り、ポジティブな面を取り入れて前進したい。それ以外に道はない」と述べた。
23歳のシナーにとっては、四大大会(グランドスラム)決勝で初黒星となった。これまでにグランドスラム3勝を挙げ、この日は昨年の全米オープン、連覇を果たした今年1月の全豪オープンに続く3大会連続優勝が懸かっていた。
それでも、この後はすぐに気持ちを切り替え、今月末に開幕する次のグランドスラム、ウィンブルドン選手権に向けて再び集中しなければならない。
シナーも「悔しいが、泣いてばかりもいられない。こういうことは起こるものだ」と前を向いた。(c)AFP