イスラエル、反ハマス武装組織への支援認める 支援車両略奪との指摘もある組織
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【6月7日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5日、パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラム組織ハマスと敵対する武装組織をイスラエルが支援していることを認めた。アビグドール・リーバーマン元国防相が、この武装組織に対し、イスラエルが武器を供与していると発言したのを受けたもの。
イスラエルとパレスチナのメディアは、イスラエルが支援している武装組織について、ヤセル・アブシャバブ氏が率いる地元のベドウィン(アラブ遊牧民)の一部だと報じている。
有力シンクタンク「欧州外交評議会(ECFR)」は、アブシャバブ氏を「(ガザ地区南部)ラファ地区で活動し、人道支援物資を運ぶトラックを略奪しているとして広く非難されている犯罪組織のリーダー」と呼んでいる。
現役国会議員のリーバーマン元国防相は公共放送KANに対し、イスラエル政府はネタニヤフ氏の指示で「犯罪者と重罪犯のグループに武器を供与している」と語った。
これに対しネタニヤフ氏はソーシャルメディアに投稿した動画で、「リーバーマン氏は何を漏らしたのか? 治安当局の助言に基づき、ガザでハマスと敵対する一族を活性化させたことか? それの何が悪いのか?」「イスラエル兵の命を救っている。良いことしかない」と述べた。
テルアビブのモシェ・ダヤン・センターのパレスチナ問題の専門家、マイケル・ミルシュタイン氏はAFPに対し、アブシャバブ一族はガザ地区とエジプト・シナイ半島の境界で暮らすベドウィンの一部だと説明した。
ミルシュタイン氏によると、アブシャバブ一族には「違法薬物の密輸など、あらゆる種類の犯罪行為」に関与しているメンバーもいるという。
イスラエル軍報道官を務めるエフィー・デフリン准将は6日、同国軍がガザで地元民兵への武器供与を支援していることを認めたが、詳細については口を閉ざした。
デフリン准将はテレビ中継された記者会見でこの件について問われると、「われわれはハマスの統治に対してさまざまな方法で作戦を行っていると言える」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。(c)AFP