【5月30日 AFP】サッカー元ブラジル代表のレジェンドで、現在Jリーグ1部(J1)の鹿島アントラーズでクラブアドバイザーを務めるジーコ氏(72)がAFPのインタビューに応じ、カルロ・アンチェロッティ氏(65)はブラジル人選手の能力を最大限に引き出す実績があるとして、同国代表チームを再びトップに導く最適な人物であると語った。

イタリア出身のアンチェロッティ氏は、ブラジル代表では60年ぶりの外国人指揮官として、通算5度の大会制覇を誇る同国を来年のW杯で優勝に導くと誓っている。

スペイン1部リーグのレアル・マドリードでは、安定性を欠くプレーで笑い者にされていたビニシウス・ジュニオールをリーグ屈指のスター選手の一人に成長させるなど、数々のブラジル人選手を育成した。

ブラジル代表の黄色のユニホームを象徴する最高の選手の一人であるジーコ氏は、アンチェロッティ氏の理解と経験が同国代表監督の仕事に最適であると確信している。

日本でのAFPとのインタビューでジーコ氏は、「アンチェロッティはブラジル人選手と一緒にプレーし、いくつかのチームでブラジル人選手とともに優勝監督となり、常にブラジル人選手を称賛し、選手を自分の力になるポジションに置いた」と語り、「彼は素晴らしい理解力を持ち、サッカーを愛している。サッカーへのアプローチは非常にブラジル的な思考だ」「だから、その理由で彼は成功すると思う。その知見、能力、専門知識はブラジル人選手を成長させることができる」と述べた。

アンチェロッティ氏はレアルのほか、イタリア・セリエAのユベントスやACミラン、イングランド・プレミアリーグのチェルシー、ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン、そしてフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(PSG)など欧州トップクラブを指揮し、欧州チャンピオンズリーグで通算5度のタイトル獲得を成し遂げた。代表チームを率いるのはこれが初めてで、ブラジル代表チームでは1965年以来の外国人指揮官となる。

ジーコ氏は、かつてアフリカやサウジアラビア、そして日本などのリーグでクラブを率いていたブラジル人指揮官の人数が世界的にも減少していると指摘している。

自身もウズベキスタン、イラク、インドなど、数か国で指導者を務めた経歴を持つジーコ氏は、ブラジルサッカー連盟(CBF)が海外に目を向けるしかなかったとの考えを示し、「今はブラジル人コーチにとって良い時期ではない。ブラジルだけでなく、世界中でもそうだ」「今、ブラジルチームに誰かを迎えるなら、最高の人物であるべきだ。私が見たところ、ブラジルは最適な人材を迎えたと思う」「私としても彼(アンチェロッティ氏)は最高なので、何も文句はない」と述べた。(c)AFP