「死が道連れ」のガザ住民には未来が必要 国連調整官
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【5月29日 AFP】国連ガザ上級人道復興調整官のシグリッド・カーフ氏は28日、安全保障理事会で、ガザに住むパレスチナ人には単に「生き延びる」ことだけではなく、「未来」が必要だと訴えた。
イスラエルはガザに対して2か月以上にわたる完全封鎖を行った後、先週わずかに物資の供給を許可したが、ガザ住民が飢餓の危機に直面する中、援助の問題が急浮上している。
カーフ氏は、「ガザでの敵対行為が再開されて以来、すでに悲惨な住民の生活はさらに深い奈落に陥っている。それは、人為によるものだ」と語った。
「死が彼らの道連れだ」とし、「生活はなく、希望もない。ガザの人々は生き延びる以上のことに値する。未来が必要だ」と話した。
現在の支援状況については、「船が沈んだ後の救命ボートのようなもの」と表現。
イスラエル、パレスチナ間の紛争の解決なしに中東に「持続可能な平和」は訪れないと警告し、ヨルダン川西岸も「危険な方向」に進んでいるとした。
その上で、6月に開催される高レベルの国際会議が「重要な機会」を提供するとして、二国家解決の復活に向けた協調行動を呼びかけた。「この会議で占領を終わらせ、二国家解決を実現するための具体的な道筋を打ち出さなければならない」と訴えた。(c)AFP