アイスランド企業がミンククジラ捕獲計画、動物愛護団体は反発
このニュースをシェア

【5月2日 AFP】アイスランドの捕鯨会社が今夏、2021年以来初めてとなるミンククジラの捕獲を計画していることを、動物愛護団体が1日、批判した。
アイスランドは、日本、ノルウェーと共に、商業捕鯨を許可している3か国の一つ。
アイスランド政府は昨年12月、2社に対して捕鯨許可を発行。2025~29年の捕鯨シーズン(6月半ば~9月)に毎年、ナガスクジラ209頭、ミンククジラ217頭を捕獲できる。
アイスランドの捕鯨会社は近年、採算が取れないとしてミンククジラを捕獲していない。
だが、捕鯨会社「Tjaldtangi」は今夏、ミンククジラの捕獲を計画していると述べた。
同社のマネージングディレクターを務めるグンナル・トルファソン氏は今週、アイスランドメディア「Visir」に対し、「まずは1頭ずつから始める。1度に1頭ずつだ」と述べた。
同氏の船「ハルドル・シグルズソン号」と乗組員4人は、北西部イーサフィヨルズル沖などのアイスランド沿岸で捕鯨を行う計画だ。
これに対し、アイスランドの成長著しい観光業界は反発。旅行業協会と、アイスランド・ホエールウォッチング協会は最近、イーサフィヨルズル湾を捕鯨禁止海域に設定することを提案している。
動物愛護団体もミンククジラ捕獲計画を批判。
「ヒューメイン・ワールド・フォー・アニマルズ」のウェンディ―・ヒギンズ氏はAFPに対し、「この捕鯨(計画)は、残酷かつ不当であるだけでなく、クジラは死んでいるよりも生きている方がはるかに経済的価値があるという事実を無視している」と述べた。
トルファソン氏は、抗議デモのリスクや批判については懸念していないと述べた。
同氏は「われわれはこの地域(イーサフィヨルズル)の人々と非常に良好な関係を築いている。イーサフィヨルズルでは多くの善意を感じており、現地の人々からは、今夏ミンククジラの肉を獲ることを大いに期待されている」と主張。
「捕鯨には高い需要があり、動物の福祉を常に念頭に置くことが極めて重要だ。私たちには非常に高い要求を課されている」述べ、アイスランドの規則ではクジラが苦しまないよう迅速に殺すことが義務付けられていることなどに言及した。(c)AFP